つくり方から見るボドゲの分類 〜大塚、玉村、カイヨワ

分類

私も大ファンのミヤザキユウ(@zakimiyayu)さんが、noteの過去記事で以下のようなことに触れていた。

ゲームには2種類あります。テーマがあるものとないものです。僕はテーマがあるものしか作ったことがないので、テーマがあるゲームの企画方法を解説していきます。

「分類」によってボドゲのつくりかたが変わるという考え方が目を引いた。ボドゲを分類したりカテゴライズしたりという試みはたまに見かけるけど、つくりかたという視点での分類はあまりみかけたことがない気がする。
そんなわけで、「ボドゲをつくりかたで分類する」ということを考えてみる。

いろいろなつくりかた

とはいえ、既存のボドゲについてつくりかたの方法や手順を公開している例というのもあまりみかけない。既存作についてつくりかたを想像しながら分類するという手もありそうだけど、今回は私の自作のつくりかたをヒントにしてみる。

私の場合、自作を作るときには以下の三つのパターンがある。
・ルールからつくる
・デザインからつくる
・ストーリーからつくる

以前の記事で紹介した『ジャンクションズ』は、「三角形のパネルを並べる」ということを基本にしたルールを最初につくり、それに沿って「道路建設」というストーリー(ミヤザキさんの言葉だと「テーマ」かな)や、付随するデザインなどを作っていった。また、『caO Yac』という別の作品では、「顔」のカードのデザインが先に決まって、それを活かすかたちでルールやストーリーができていった。私も勉強中なのでこの分類自体が少しづつ変わっていっているけれど、ひとつのガイドとしては今もこれを使っている。もちろんこのやり方がベストではないけれど、だれでもボドゲをつくりやすくする良い方法がないかというのはいつも考えている。
ボドゲ以外の分野に目を向ければ、「つくりかた」に関する一般法則のようなことを示そうとする試みはいくつか見つけることができる。

大塚、玉村、カイヨワ

映画や小説などフィクションの物語をつくる方法は「物語論」などとして研究され、ハリウッドなどでも実際に活用されているらしい。日本だと大塚英志の『ストーリーメーカー』という著作がとてもわかりやすく、脚本執筆を教える専門学校などでも教科書として採用している例がある。

別の例では、玉村豊男の『料理の四面体』という本は調理方法の一般法則を示そうとする内容。料理というものは食材に対して「火、油、空気、水」という四つの要素を与えるバランスの取り方の加減でできていると言っている。和食も洋食も中華も、高級料理から素朴な料理まで全ての料理をこの方法で説明しようとしているもので当然いろいろと無理はあるけど、玉村自身が自分で世界中を食べ歩いて集めた豊富な事例とともに紹介される内容は「確かにそういう考え方もあるかも…。」と、思わせるとても刺激的な主張。

もう少しボドゲに寄せて考えれば、ロジェ・カイヨワという哲学者による「遊び」の分類がある。彼の分類の中で一番有名なものは、「アゴン(競争)、アレア(偶然)、ミミクリ(模倣)、イリンクス(めまい)」という四つに分ける方法。ボドゲに援用していると明言している例はあまり見かけないけど、デジタルゲームのゲームデザインの話には引用されることがあるよう。

まとめ

今回は「つくりかたの分類」ということについて考えた。
ゲームマーケットなどに出店すると「どうやって作ったのですか?」というようなことを聞いてくれるお客さんもいて、そういうときは今回書いたような内容をお話ししている。ネット上でももっとみんなが「つくりかた」の話をするようになったら楽しいのに。

 

 

Photo credit: NASA Goddard Photo and Video on Visualhunt / CC BY

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